季節は夏、袖を濡らしすくった水が冬凍ったのを、立春の風が溶かしているだろか? この一首で夏、冬、春と四季が一めぐりしています。 寝覚めしたこの仮の庵では手枕も袖も隔てなく風が吹いてゆく。 かきつばたが見頃でした。 「句頭」を利用したものがほとんどですが、「句頭」と「句尾」を利用したものは「沓冠折句」または単に「沓冠」と呼ばれます。 古くは伊勢物語にも「八ッ橋のかきつばた」と詠まれていることから、市の花はカキツバタです。
もっと大和言葉の持つ情感の豊かさ、詩性をよく表していると言えるでしょう。 時代が変わっても同じ日本人として共感できるものが多いですね。 「花の色は うつりにけりな いたづらに わが身世にふる ながめせしまに」(小野小町) 言わずと知れた六歌仙、小野小町の歌です。
もっと業平の東国への旅は、実話か創作かで見解が分かれますが、 三河国の八橋 愛知県知立市付近? で美しく咲くカキツバタを見て詠んだ和歌といわれています。 茶人千利休の師であった武野紹鴎が記した「南方録」というわび茶の秘伝書によると、定家のこの歌こそが「わび」の心であるとしています。 このハナショウブは、花びらの付け根に黄色い部分があること、それから、葉の中央に筋が通っていることが特徴です。 病気を機に出家して比叡山のふもとに移り住んだ親王に、新年の挨拶をするため訪れた業平は、 わびしい庵のたたずまいに驚きます。 年上の聡明な人に贈るのにぴったりな花ですね。 沢山の恋人がいた業平ですが、惟喬親王のいとこでもある 紀有常 きのありつね の娘を妻にしています。 さて、東国へ友達と共に旅に出た男ですが、三河の国、八橋というところでかきつばたが咲いていたので、かきつばたという五文字を句の上に置いて歌を読めといわれて、読んだ歌。
もっと私の身は昔と同じなのに、他の物は全て変わってしまったのだろうか。 修辞法の解説 この歌においては、上の折句の他にも、たくさんの修辞法、短歌の表現技法が使われているため、以下に解説します。
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